■デジタルBOOK■鏡の国のアリス

商品名 : ■デジタルBOOK■鏡の国のアリス

価格 : 700円 (税込 756円)

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監訳者のことば
 『鏡の国のアリス』は、『不思議の国のアリス』からおよそ六年後の一八七一年に世に出て、前作と同じようにすぐさま多くの読者に受け入れられました。ナンセンスな展開や風変わりな登場人物、随所にちりばめられた言葉遊びといった要素は受け継ぎながら、マザーグースのキャラクターや詩などをさらに多く盛りこんで、前作に勝るとも劣らぬスケールでアリスの冒険譚が描かれています。

 そんなふうに、姉妹作として『不思議の国のアリス』と共通のイメージを作り上げている『鏡の国のアリス』ですが、前作と比べてみるとユニークな面もいろいろあります。なにより特徴的なのは、全体の構成にかなり技巧を凝らしているところでしょう。

  『鏡の国のアリス』では、舞台全体をチェスのゲームに見立てていて、アリスはポーンとなってゲームに参加します。物語は冒頭に作者が示したように、詰めチェスの(いくぶんナンセンスな)指し手になぞらえた形で進むわけですが、よくよく見てみると、ずっと眠りこけている赤の王様にチェックメイトがかかることが夢からさめるきっかけになっていて、それが、果たしてアリスと赤の王様のどちらが夢を見ていたのかという謎と妙にマッチしていて興味深いものがあります。
  このあたりは、ボート遊びのおりに即興で聞かせた話から生まれた『不思議の国のアリス』に対して最初から出版を意識して練り上げたことがうかがえる部分であり、数学者でパズルを好んだキャロルの遊び心が存分に発揮されている部分だと言えるでしょう。

 またこの作品では、アリスのモデルとなった実在の少女アリス・リデルに対する作者キャロルの物悲しげな想い――成長して自分から離れていくアリスを見送り、楽しかった思い出を懐かしむような気持ちが、微妙に顔を出しているところも興味深い点です。八章に登場する白の騎士はキャロルが自身を投影した姿だと言われていますが、その白の騎士との別れの情景、あるいは冒頭と末尾の詩などに、そんなキャロルの想いが見てとれます。深く読みこんでいくうちにこうした隠し味のような面が見えてくるところも、この作品の魅力ではないでしょうか。

 監訳にあたっては、担当の皆さんの創意工夫を生かしながら言葉遊びや詩の面白さを可能なかぎり再現するようつとめました。担当の皆さんがとても面白い訳を考え出された部分には大いに楽しませていただきましたし、同時にどれだけ新しい訳が試みられても尽きることのない『アリス』の魅力も実感できました。このような形で『アリス』の翻訳に参加できたことを心から嬉しく思います。

 この作品の面白さを、読者の皆さんにも感じていただければさいわいです。


《鏡の国はチェスゲーム鏡の国のアリス〜Through the Looking -Glass》
原題 :Through the Looking -Glass
著者 : Lewis Carroll 1832-1898
共訳者:猪飼一夫、五郎谷洋子、竹内鈴夏、長野美樹、福本直美、牧田史子、
    早川有加、矢野麻理子、渡利美重子
監訳 :河野騎一郎

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